田舎へ | 赤い糸、絡ませて。

田舎へ


わたし達の挙式の日、

残念ながらわたしの祖父と祖母は欠席する。


ご老体には少々、式場までの道程は遠いのです。

祖父は以前から、車やバスに長時間乗っているのが苦手。

気分の問題だろう、と言っていられる年齢ではないので

無理を強いて体調を崩されてしまっては元も子もないし。

祖母もここ数年で一気に、長年のツケが身体に出てきている。


ということは、

挙式時に彼と顔を合わすことが出来ない、ということ。



なので。


さくっと祖父母の住む隣県まで、Tさんを連れて行ってきた。(´∀`)ノ



連れて行ったと言っても、勿論彼の車だけども・・・

そしてわたし一人だと、道順が心許ないので母も一緒に。


最初に「(婿を)連れて行くよ!」と伝えたのは夏前だったか。

季節はもう秋、後手後手にまわってようやくです。



おじいちゃんとおばあちゃん、すごく嬉しそうでした。


この日の朝、おばあちゃんは病院に行った帰り

わざわざケーキ屋さんに寄ってきてくれたそうだ。

おじいちゃんも楽しみに待っていてくれたそうで

「カレンダー見て明後日か、明日か、って待ってたんよ」と。


二人がそうして、

孫の婿が来るのを心待ちにしていたのだと思うと

なんて可愛い人たちなんだ、と思って止まない。


そうして連れられてきた婿殿も

二人の予想を裏切らず、大変気に入ったようで。

Tさんが少し席を外した時には、

「優しそうな人やねえ、」と。

祖父母の嬉しそうな顔を見て、わたしも頬が緩んだ。


「良かったねえ○○ちゃん。

 こんなええ人に見つけてもろて、ねえ」


いつも会う時よりも、

ずっと元気で溌溂とした表情だったおばあちゃんの

この言葉が心にすうっと染み込んだ。



ああ、結婚を決めて本当に良かったな。



と、また一つ思いました。


喜ぶ二人の姿があんまりにも愛しくて嬉しかったので、

早くひ孫を見せてあげたいなあ、と思ったぜ。


数年先のことだろうけれど、そう遠くない。

それまで、二人には元気で達者に暮らしていて欲しいな。